「なりたいボーイ、狂わせガール」が思っていたのと色々違ってた

奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」を観てきた。
率直な感想としては「自分的にはイマイチ」でした。

ちなみに僕は原作者の渋谷直角氏のけっこうなファンだ。
どこくらいのファンかというと写真集「君になりたい」と「relax library_006 『RELAX BOY』(2002年に発売したオリジナル版」)以外に出版されたものはほとんど持っているつもりだ。『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』は50部だけ作られたZINEも持っていたりする。

そして大根仁監督の作品も「モテキ」「まほろ駅前番外地」「リバーズエッジ大川端探偵社」そして「ハロー 張りネズミ」は観ている。とても才能がある人だと思う。さすが堤幸彦監督(と秋元康)に見出された逸材だと。

だからなんでこの作品を観てに腑に落ちないのかなと思っていたところ、フイナムの記事を読んでなるほどと思わされた。

大根監督曰く「いかに希子ちゃんを可愛く、エロく撮るかがテーマだった」。

この映画は確かに水原希子という女優をとにかくエロく撮れている。彼女の身体は現実感がないほど美しく、妖艶に映り、何度か勃起してしまった。

また、「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール(完全版)」のヴレッジバンガードでの購入特典で特別音声を聞くことが出来たのだが、原作者の渋谷氏曰く「不倫・浮気相手と観に行くのがオススメ」と言っている。実際に観てみるとわかるのだが「とにかくキスシーンが多い」ので、鑑賞後に「いや〜、キスしたくなちゃったね」なんて、とっても言いやすい映画になっていることは絶対保証出来る作品だ。(この時点である意味評価すべき作品なのかもしれない)

つまり、この映画は「エロい感じに女の子を撮れている恋愛(まぁ魔性の女に溺れる男たちの)話」としては立派に確立している。

しかし、原作の漫画が好きだった(しかもrelax世代でサブカルを引きずる)僕としては違う部分にもこだわって欲しかったというのが正直なところだ。「こうして欲しかった」と思う僕のボヤキが3つある。

1)サブカル感やライフスタイル感のディティールの言葉でもっと埋めてほしかった。
渋谷直角作品(というか渋谷直角という人は)いわゆる「スノッブな人種」に苦手意識があるのか悪意があるのか「こーゆー業界人いるよね」「カテゴライズされた勘違いな人」などを痛々しく書くことがとても上手な人である。

その描写にリアリティーを出すために「カルチャー」「ライフスタイル」に関する「言葉」や表現を渋谷氏が的確にエディット出来る才能があるから多くの人に刺さるはずだ。

映画の中でも「ディアンジェロのライブ観に行った?」とか「クライアントに謝りにいくお土産どうします?」「瑞穂の豆大福はどうですかね?」といった「カルチャー・ライフスタイル知識」な言葉はそこそこ作品内に出てきているのだが、もっともっと小ネタを敷き詰めて、主人公の勤める「ライフスタイル誌の編集部」を鼻持ちならないオシャレな雰囲気にするなどのディティールで唸らせてほしかった。例えば、「業界ぶったスカしたムカつく奴」みたいな登場人物が出てくるとか。

2)見せ場である「ヒロインを取り合う男たちの対決シーン」があっさりしている。
男と女の修羅場のシーンになり、映画の中でも緊張感が高まるのだが、漫画の激しいバトルシーンとはうって変わってあっさりとこのシーンは終了してしまう。ほぼバトルはしていない。

ドラマ「ハロー 張りネズミ」の中では森田剛がかなり激しいアクションシーンを魅せてくれていたこともあり、盛り上がるシーンなのではないかと期待していたのだが。

3)奥田民生感がない
ここは決定的と感じているのだが、主人公は「民生みたいになりたい」「民生だったらどうするのかなぁ」とはいうのだが、「民生に対する憧れ」が思ったより伝わってこないのだ。奥田民生本人が映画に出て動いてくれれば最高なのだが、それは難しいとしても「タイトルに名前出してしまっている」ため、残念な感じが否めない。

と、勝手な意見をつらつら書いてしまったのだが、僕は映画の感想をブログに書く人種は「世の中でも一番暇なんじゃねぇか」と軽蔑している。(←何様だ。そしてこのブログで映画の感想は以前にも書いている。)

この映画に関して、僕は一つだけ「えー、これってどういうこと?」と疑問に思っていて、観た人はどう思っているのかなということがあり、それを書きいためだけにここまでの駄文を書いた。(以下は完全なネタバレになります)

 

 

 

 

 

最後のシーンは3年の時が過ぎ、コーロキ(安野丈)と美上ゆうの再開のシーンがあるのだが、美上は「今日は遅いの?」とコーロキに聞き、「遅くなる。冷蔵庫にミートローフがあるからね」と伝えるシーンがある。


「コーロキと美上は同棲している」設定なのだろうか?

そうだったら面白い・・・。

漫画のオリジナル版、完全版とも違う結末がこのシーンだけは作られている。

この点だけはは気になってしまい、散々文句を書いたがこの映画に「してやられたな」いるのかもしれない。